図書館の民間委託を考える講演会

 午後から「図書館の民間委託を考える」という講演会に参加した。講師は中央大学名誉教授の島田修一先生。先生は笠間にお住まいだとのこと。県内なのでこれからも何かとご指導いただけるのかも、と期待してしまった。

 図書館の民間委託によって図書館の基本機能を後退させるとのこと。

 図書館の基本機能とは?
1.無料制
2.市民意志と直結した運営
3.豊富な図書・資料、高い見識と市民意志を尊重した選書
4.図書館の自由・読書の自由の保障

 これらは図書館運営の根幹をなすものであり、これらが後退してしまうのは非常に問題だ。私の中では以前から民営化に反対の気持ちがあったが、こうして整理していただくとなるほどと納得できる。

 中でも図書館の自由は重要だろう。日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」、ユネスコの「公共図書館宣言」をしっかり学ぶ必要がありそうだ。

 今あちこちで図書館の民営化は進んでいるが、一見サービスが向上したようにみえても、本質的なところで重要な機能が後退してしまったのでは、本末転倒である。民営化したところでは、一番目に見えるのが開館時間の延長かもしれない。それは市民にとってとても嬉しいことではあるが、それで良いのかと今一度考えてみなければならないと思った。

 もし、指定管理者に委託するとなると、一定期間で事業者が変わることがある。そうなった時、本当に大切な選書の自由などが保障されるのか、継続的な図書の収集ができるのか、私はそこが非常に気になる。民間では利用率や貸出冊数などの数字が優先され、系統的な地域資料の収集などが困難になるのではないかと危惧するのだ。

 日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」は戦前、思想善導の役割を担わされた歴史を反省し、自由の大切さを高らかに謳ったものと言われている。図書館は国民の知る権利を保証する重要な施設であると位置づけられている。

 少し話がそれるが、上記のような意味から、ふじしろ図書館が出来たときの設置条例には、「知る権利」を明記したのだ。更に、この設置条例には、,館長となる者は,「法第5条に規定する司書となる資格を有し,図書館の運営に関して専門的知識・経験を有する者をもって充てるものとする。」と規定しており、より質の高い図書館サービスを実現しようとの考えを明記したのだ。これは全国でも珍しい条例だと図書館関係者からは高い評価を受けていたのだが、旧取手市との合併によって、この条例は廃止されてしまった。私にとっては非常に残念なことだった。

 今日の島田先生の資料によると、文科省も以前は「図書館の基本的業務は民間委託にはなじまない」と言っていたのだが(第104回衆議院予算委員会答弁)、残念ながら現在ではそれが変わってきてしまったとのこと。

 取手市では窓口業務の委託を考えているらしいが、常々窓口で利用者と接していることで、市民のニーズを把握できるということを考えれば、窓口業務の委託はやはり問題だと思う。図書館の民間委託には図書館の本質に関わる大きな問題が潜んでいる。単なる貸本屋になってしまわないためには、直営が望ましいと思う。


プロフィール

まり子

Author:まり子
茨城県取手市在住。
所属団体、
 「放射能NO!ネットワーク取手」
 「市民オンブズマンいばらき」
 「放射能からいのちと守る茨城ネット」
 「取手駅西口の住民訴訟をすすめる会」
 「谷中子ども文庫」

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